そこに走って来たスタッフが慌てて、俺たちにそう叫ぶ。
「わかった、今い…っ」
「壱流、あと五分は安静にしてて」
「は!?聞いてたか、もうトークがもたねえって…」
「あたしがいく」
さっきの泣き顔など微塵にも感じさせず、すっと立ち上がった光に菊が駆け寄る。
「菊ちゃんさん、さっきの手順でお願いします」
「…やっぱり」
「社長とかマネージャーに怒られるのは、慣れてます」
眉を下げて笑い、ステージに歩き出す光に今度は俺が慌てた。
「っおい!!菊、止めろ!!光がなんで…っ」
「…責任は俺が持つ。お前はあと少し、効くまで待ってろ」
照明が全て落ちた。

