「壱流、光ちゃん、東京からかけつけてくれたんだよ」
菊がぼう然としている俺に耳打ちをする。その間、光は足首にテーピングをしてくれていた。
「なん…で、つーか…どうやって…」
「知り合いの人が今日これに仕事のあと来る予定で…一緒に来る人が風邪で来れなくなっちゃったからって言ってたから航空券譲ってもらったの」
さっきの迫力と比べると、別人のように静かになった光。顔を下に向けている為、表情は読み取れなかった。
「…おま、それ…衣装だろ」
きっと美音をイメージしただろう、白いワンピースを纏っている姿は私服ではないことは確かだし、何より衣装ってことは仕事中か仕事終わりのはず。
「仕事は今日、早かったの」
「ひか…?」
声に僅かだが、涙の色を感じさせる。
「壱流は…っ!」
「壱流、もうトークもたないぞ!!」

