あたしの上の壱流は怒ってるのかなんなのか、よく分からない表情をしていた。
腕を頭の上で一纏めにされて、壱流を退けたくても退けられない。
「壱流…っ、痛…」
「良い度胸してんな、お前」
「は!?」
櫛取りたかっただけですけど!!近くに寄ることさえも許せないわけ!?
「壱…っ」
「好きな男の香り纏って、好きな男の服着てきて、別の男とのキスシーン撮影挑む女優なんて、お前ぐらいじゃね?」
好きな…お…とこって…、いや、もちろん琉飛のこと大好きだけど。
「…琉の存在…ちらつかせやがって」
「壱流、ちょっ…」
もしかしたら、壱流は、おっきな勘違いをしてる気がする!!
「……まじ、ムカつく」
「壱流、あのね、琉…」
「…好きな男に包まれながら仕事じゃねえキス、この体勢なら出来んだけど」
妖艶な笑みを浮かべて、軽く舌を出す壱流。
……ちょっと、ドキッとしたって……違ーう!!!!
「いい加減にしろーっ!!」
「…ぐっ」
あたしの足は壱流のお腹にヒーット!
吐血壱流、貴重だなー…。

