「ただの…共演したバカな女優」
仲良くなれたって、思った。
かけがえのない、人だと思った。
あたしの背中を押してくれる、大切な大切な人だと…思った。
「なん…なの」
「みかん…」
彼女が出来たから、あたしなんかに構ってられないからいきなり冷たくなったの?なんで、いきなり、あんな。
溢れてきた涙は抱き締めてきた琉のシャツに染み込んでいく。
「みかん、…俺が、悪いの」
「なんで…っ!?ちがうよ!」
「俺が…度が過ぎちゃったんだ…」
琉はあったかい。
でも、同じくらい……。
“……俺が守ってやる”
壱流もあったかかった。
「あたしは…っ!壱流とまた今までみたいに…話したい、だけなのに!」
「ん」
「壱流は…目も……合わせてくれない…っ」
背中に回した手に力を込めると、琉もぎゅっと抱き締めてくれた。
「も……やだ…っ」
「……困ったキングだな、ほんと」
「っく…ふ…ぇ…」
「女の子…のあしらい方は…上手いくせに…優しくするのは…下手なんだから」
また、目を見て、名前を呼んで。
ね、壱流。

