「そう…だったかな、分かんないや」
「…みかん」
ごめん、琉飛。
今だけは、壱流の話出来そうにないの。
「…みかんをいじめた罰…だけのつもりだったのに…」
「へ?」
「あんな、壱流…初めてで…分からなくなっちゃった」
「…琉飛」
あんな壱流って?
「みかん」
「んえっ!?」
「ふふっ、…へんなこえ」
琉飛に笑ってて欲しい、と今目の前にある笑顔を見て思った。
「おれんち……来ない?」
「えぇっ!?」
「…いそがし?」
しょぼん、と凹んだようにあたしを見つめる仔犬琉飛に勝てるわけもなく頷いてしまった。
「やった。…いこ?」
「え、だって、琉飛今から雑誌のじゃ…」
「みかんに…早く、謝りたかったから…あれ嘘」
あたしを包み込むような笑顔に舌をちょっと出す仕草。さっきまで沈んでいた気持ちが嘘みたいにふわふわと上がる。
「マネージャー呼ぶから…待っててね」
「うん」
琉飛は琉飛なりにあたしを元気付けようとしてくれてるのが分かる。
ちょっと頭に浮かんだ壱流の姿に泣きそうになったのは…言わないようにしよう。

