Drop Piece




ずーんってオーラを纏いながら、次の仕事に移動中です。高崎光です。


「はあああ…」


べつに、壱流がどうとか…じゃなくて。なんか…なんか…!!



「もやもやするー!!」

「邪魔」

「へ?」


振り向くと、立っていたのは眉間に皺をよせた機嫌最悪!そうな壱流さん。



「いち…っ」

「廊下の真ん中で場所取んな。邪魔だから」



いつもよりも温度が三度ぐらい低い声に体が強ばった。


いっつも、優しいことなんて言ってくれなかったけど。冷たいこととか意地悪なことばっかだったけど。


「いち…る…」


いっつも最後はちょっとだけ…ほんの、ちょっとだけ笑ってくれたのに。



「あの、今度の…撮影ね」

緊張するけど頑張るからねって言葉は壱流の言ったことによって消えた。



「…ああ、キスシーンのこと。別に初めてじゃねえし、お前だって俺と嫌なら犬とかとキスしたとでも思えば?……俺は、そう思ってやるから」