Drop Piece




お兄…ちゃん、も…なんだか、しっくりこない……。


自動販売機の前でうずくまり、うんうん唸ってたら頬に冷たいものが触れた。



「っうきゃ」

「ふふっ、…うきゃだってさ」


優しい声が頭上から降り注ぐ。見上げると、みかんジュースを持った琉飛が立っていた。



「りゅっ…!!」

「…壱流とケンカ?」

「ち…がうよ」


何もかも見透かしたような琉飛の目は優しくて、温かくて。


何かが溢れて、俯かざるえなかった。



「琉飛は?…しごと?」

「ん。隣の隣の隣のスタジオで」

「そっか、お疲れさま」

「…光も、結構…終盤でしょ?」

「うん、台本も今7だよ」



ちょうど美音が倒れたところを、さっき撮っていてあとは大体壱流のシーン。あたしは寝てるだけ。


「…頑張ってね」

「ありがと!!」


にっこり笑うと琉飛は何故か眉を潜めて、あたしを覗き込む。



「な…に…」

「やっぱり…へん」

「何も…ないよ?」



じぃっと探るような視線に負けないように頑張る。だって、…ただ寂しかっただけ、だもん。壱流が…彼女作ったって…あたしには関係ないのに。