「モノを創り、それが人々の笑顔の種になる…そんな両親の背中を見て育った私は、2人が憧れでした」
まるで溢れるかのように、話し始められたそれは、今まで一度も光が話したことがないものだった。
「2人が種を作るなら、私が芽を出すお手伝いをしたい、そして皆さんが花を咲かせるのを近くで見たい…そう思い、演じることが好きだったので女優という道を歩まさせていただきました」
いつの間にか俺たちの後ろには光のマネージャーの…ま…ついさん?が立っていた。
「あ、松井さんだー」
「どうしたんすかっ?」
「光の勇姿を見に来たの」
そう微笑んで、細くなる目元には涙のあとがあった。
──光。
俺らも、松井さんも、SHIZUKAさんたちも、袖で見てるスタッフたちも皆みんな、お前の味方なんだ。
───負けんな。
「私は、女優になろうと決めた瞬間から両親とある約束をして1人で日本に戻りました」
そのぎゅっと握り締めた拳に、俺たちの力も加わればいい。

