報道陣の奴等は目的を忘れ、SyUを撮り続けた。
「デザイナーSyUのもだ」
長身に、黒髪を流して、黒ぶち眼鏡の奥にはSHIZUKAさんと同じ親の目があった。
SyUは、光たちに近づきSHIZUKAさんとは反対側から光の肩を抱いた。
「言っておくけど、光は俺たちに何一つとして知らせはしませんでしたからね」
「とあるマンションのとある掃除係の方から知らせて頂いたんですよ」
茶目っ気たっぷりにSHIZUKAさんが笑う。
その言葉に報道陣も利央たちも首を傾げた。
俺の頭には、人生初の段ボールに入れられた思い出がよみがえり、苦笑い。
「まあ、そんなチクったりするような娘じゃないんで」
「光は1人で立ち向かいましたよ、貴方に」
光の目は涙で潤んでいて、それを見つけたカメラマンたちはすごい勢いでフラッシュをたく。
「うわー…絶対明日のあそこらへんの雑誌とかスポーツ新聞の見出し写真、光の泣いてるアレだよ」
「涙とか好きだよなー」
利央と晴が顔をしかめるのに対し、俺は黙ったまま光を見つめた。
お前も…言いたいこと、あるんじゃねえのか?

