全員黙って、琉飛が雑誌のページを捲る音だけが響いた。



「……あたしが証明してあげる」

「は?」

「あたし達だって真剣に演技してるって証明したげるよ!」


琉飛も反応し、雑誌から目を離した。


「あたしはあんた達が思ってるような軽い奴じゃないからっ!みんなの歪んでるその考え根本から覆してみせるから!!」


そう叫んで勢い良く部屋を出ていった。



「パ…パワフルガール…」

晴翔がしゃがみこんだ。


「初めてかもね、あーゆー子」

利央が俺を覗き込む。


「………気に入らねぇ、あいつ」

微妙な空気が流れたときだった。



「ねぇ」


琉飛が俺らを見る。


「俺の一人勝ちだから、みかんゼリー1週間分ね」



こんな最悪中の最悪から始まった俺ら。


この先どうなるかなんか誰もわかってなかった。