「うわー、俺緊張してきたんだけど!!」
「晴は…緊張感もっと必要」
「琉飛くんんんんー!?」
いつもなら、そんな晴に鉄拳でも何でもかましてやるけど、今日は俺もそれどころじゃなかった。
「みんなっ、来るぞ!!」
「うっせ、菊。黙れ」
足音が聞こえるんだし、分かる。あの人が…SHIZUKAが来るってことが。
楽屋のドアがノックされ、鈴のような声が響いた。
「入っても…いいのかしら?」
菊が慌ててドアを開けて、中へ招き入れた。
全員が息を呑み、視線を一点に集中させる。
「初めまして、SHIZUKAです。本当はもっと前から来たかったんだけれど、仕事が片付かなくて当日に合流でごめんなさい…」
長い艶やかな髪をおろしていて、あどけない雰囲気は40近いなんて思えなかった。
「さっき、リハーサルは見させてもらったの!貴方たちに頼めてすっごく嬉しいわ」
少女のように目を輝かせてキラキラ笑うSHIZUKAに見惚れ、皆黙ったままだった。
「私にとってブランドは…服は子供です。だから、この子たちを一番素敵に輝かせて欲しい。晴れ舞台にしてあげて欲しいの」
そう言って、愛しそうに楽屋に並ぶ今回のショーに使う服たちを見つめた。

