「同じ演技は二度とできねぇ。今がベストの演技ならそれ以降はできないかもしれねぇ。なのに、『太って見える』『顔が歪んでる』とかの理由で中断させんのはてめぇらだろ」


どかっ、と机を蹴る。

イライラする。なんなんだよ、この女。


お前らは、それでどんだけ迷惑してんのか分かってんのかよ?


「女優さんたちだって一番輝いてるときを映してほしいの。それはあんた達と一緒なんじゃないの!?」


その言葉に一瞬、口籠もる。


「あんた達の演技への思いがあると一緒で女優さんたちにもあるんだよ…っ!?」

「…先に媚びてくんのはそっちだろ」


先に甘い声だして、俺達に近づくのはそっちじゃねぇかよ。

真剣にやってる撮影を壊すのもお前らじゃん。


なら、それを使ってなにが悪いんだよ。



「あんた達みたいのに騙されちゃう女優さんたちもどうかと思うけど…っ」



きっ、と俺らを睨む"高崎光"。



「あんた達はもっと最低だよっ」