Drop Piece




最上階には、あいつの部屋しかないらしくエレベーターを降りて少し歩いたところにドアがあった。


分厚く感じるそのドアの向こうにあいつが…いるんだ。


一応ノックをしてみる。


「……俺だけど」


しかし、反応はなくドアの向こうは静まり返っていた。


はあ、と息を吐き、ノブに手を掛けるとカチャリとドアが開いた。


開いているドアに違和感を感じて、急いで中に入る。



「…光っ!!」


中は電気がひとつも点いていない状態で薄暗く、物音ひとつしない。

大理石のひんやりとした廊下を進むとリビングへと辿り着いた。



大きなソファにローテーブル。またもや大きな埋め込み式の液晶テレビ。


全てが大作りで、まるでこの広すぎる空間を物で埋めようとしているようだった。



「光」


もう一度呼び掛けてみるけど、やはり返事はしない。




───コト、リ。



小さいけれど、とても小さい音だけれど耳に届く。



場所は廊下を曲がった一番奥の部屋。