「…すっげ」
馬鹿のマンションの少し離れたところでタクシーに降ろしてもらった。
見渡す限りの…今の俺にとってはハイエナのような存在たちにきつい視線を投げた。
「……どっから入っかな」
マンションのありとあらゆる入り口を固めてるようで、隙間なんて見つからない。
「あいつは入れたのか…?」
その時、肩に誰かの手が置かれ、驚いて振り払った。
「……だれだよ」
モップを持った年配の女が仁王立ちしている姿に少し圧倒される。
「光の友達だろ?あんた」
「……は?」
「は?じゃないよ!こんなか弱い女性に対して!」
いや、どこら辺が。
「マンションに入りたいんだろ?」
「………」
「連れてってあげるよ」
「は?」
今にもモップで殴りかかってきそうなのを、ギリギリ押さえて耐える。
「どっちなんだい?」
「……ほんとに、入れんの?」
「あたしはあそこの清掃員だからね。てことで……」
はい、と出されたのは荷台に乗った大きな段ボール。
「入っとくれ」
は?としか返せねえだろ。

