「光の…あいつの携帯って何色だった?」
「へ?」
質問の内容にびっくりしたのか、軽く目を見開いて、んー、と唸った。
「あいつは…ピンクじゃなかったかな」
─ビンゴ。
くすり、と口角を上げて笑い、男子生徒にもう一度話そうとして顔を上げた、んだけど…。
「今の壱流の表情…ちょ、ドキッとした」
誰か、この馬鹿を殴ってくれ。
俺は敢えて返事をせず、もう一つの頼み事を口にした。
「なあ、お前の携帯貸してくんね?」
「俺の?」
そう、と頷き微笑むとまた性懲りもなく赤くなる男子生徒。
……耐えろ、俺。
微笑む、とかキャラでもないことをしている自分に寒気がした。
「きょ…うしつにあるから、取ってくる」
今は昼休み。校庭には、男子生徒の友達もちらほらいる。
私服が目立つのか、チラチラ見てくるし…。
めんどくせえな、とため息を吐き帽子を深く被り直す。
「俺がいる、とか口が裂けても言うなよ」
「あのさ…っ壱流って高崎の彼…」
「馬鹿なこと言ってねえで、さっさと取ってこい」
言い掛けた言葉を無理矢理飲み込ませ、走らせた。
「……なに、…赤くなってんだよ…」
ムカつく。まじで、見つけたらただじゃおかねえし。あの馬鹿女。

