「何言って…」
「別に、俺たちはプライベートで行ってって言ってるわけじゃないよー?」
利央がクスリと笑って、机の上にある雑誌に載っている俺とあいつの対談を指差した。
「このまんま、見つかんなかったら、壱流だって困るんじゃねーの?ドラマのまだ撮影あんだろ?」
晴翔も不敵な笑みを浮かべて、そんなことを言うから小さな苛立ちが心の中に生まれる。
「いってきてよ、……壱流」
……仕事だ、ただの。
スタジオの廊下を歩きながら、そんなことを思う。
携帯を取り出して、電話番号を探して呼び出しボタンを押す。
「………」
出ろよ、と呟いても聞こえるのは虚しい電子音。
壁に寄り掛かり、顔を手で覆う。
会ってきて、と言ってもあいつがどこに居るかさえ分からない状況なんだ。
どうしろって訳。
あいつが行きそうな場所?
そんなことさえ思い付かない。
「あー、…くそ!!」
これで、あの馬鹿ボヤボヤしてやがったら締めてやる。

