Drop Piece




いちるが、あたしを上から下まで見渡す。



「馬子にも衣装だな」

「まご……?」



まご、とは、どう変換したらいいんでしょうか。それが馬子って変換するならキレてもいいでしょうか。



「いちるだって!…似合……って…る」


くそう、似合ってないなら存分に言い返せたのに!!



「お前、リハ終わったのかよ」

「シークレットゲストは毎回ぶっつけなんだって!」

「……」

「その視線、何でしょう」



失敗しないように頑張るもんね!だって…。



「いちる、特訓してくれたもんね!」

「……ばーか」



フン、と顔を背けられたけど、心配してくれているいちるに感謝です。



「つーかさ、時間やべえんじゃねぇの」

「へ?」

「シークレットは早めにスタンバイしろとか言われてなかったんじゃねえのかよ」

「……!っいちる!ばいばいっ」



あたしはスタジオに向けて走り出す。その背中に、いちるにしては珍しい応援っぽい言葉が降ってきた。



「…ラだけは完璧にしろよな」

「頑張ります!」