撮影も順調に進んで、いよいよ来週放送開始となった。


つまり。

「……分刻み」

オフが全くないわけで。



事務所の会議室で一人、マネージャーに渡された1週間分のスケジュールを見て、大きく溜め息をついた。


まだ、これだけの忙しさならいつもの事だから耐えられる。


だけど今回はこれだけじゃない。



「……んで、こんな時に」

「おはよーっ!わ!壱流、早いね!撮影終わったの?」

「一時間だけ抜けてきた」


利央が、俺の隣に腰掛けてサングラスを外した。


俯くと睫毛で影ができ、少しだけ馬鹿の学校の男子生徒に同情した。


「馬鹿がキレてた」

「光が?」


きょとん、として頭を傾げる姿に別に俺はなんとも思わねぇけど残念なことに魅了される憐れな男は多い。



「ほどほどにしとけよ」

「なにー、光どうしたのー?」

「リコ」

「あぁ」


利央はくすりと悪戯に笑い、「あ」と声を漏らした。


「あ?」

「今回のライブ、リコのコーナー作っちゃう?」



………勘弁しろよ。