「よかったね」
「つか、まだ何も言ってねぇよ。琉」
「…言わなくても…わかるよ…?壱流、すっごい…笑顔」
優しげに笑う琉に居心地が悪くなる。
「うっせ」
昨日とは違う雑誌の取材が入って俺と琉、利央と晴の対談形式となっていて今は待機中。
「…壱流、…ゲームしたい…」
琉が何故か楽屋に存在するゲーム機を指差す。
「やればいいじゃん」
「…対戦……」
「めんどく……」
「…負けたくないの?」
くっそ。
こうゆう時メンバーっていうのは面倒になる
俺がどこで本気になるかなんて、琉たちにはお見通しってわけで。
「…手加減なしだぜ?」
「いらないよ…そんなの」
コントローラーを握ってテレビを付けると。
…今一番見たくないやつが映っていた。
〈このブランドのイメージキャラクター朝浜光輝さんです!〉
ニュースのエンタメコーナーらしく、中継で繋がってるらしい。
爽やかな笑顔で記者たちの質問に答えていってる。
ある女の記者が嫌な笑みを浮かべながらマイクを朝浜に向ける。
〈恋の方は、どうなんでしょ?〉