うぁー、俺ショック!!とか言ってるマネージャーの手から雑誌をもぎ取る。



「この…、日付」


記事に書いてある日付は三日前のあの日。



……あの時か。


記事によると一緒にタクシーから寄り添って降りてきて、二人で朝浜のマンションへ朝まで居たらしい。


力が抜けたかのように、どさっ、とイスに座り込む。


「え、嘘だよね?これ」

「壱流もこれ行ったんだろ!?ドラマのなんだから」

「行ったけど、二人で先に帰ったのは、事実だ」

「…完全否定は…できない…ってこと…?」



苦々しく頷くと、皆息を止める。


「じゃぁ、光に電話…っ!」

「ばーか、出れるわけねぇだろ。粗方、事務所が馬鹿の連絡手段はストップかけてんだろ」



と言った俺もポケットの中で携帯をいじる。

俺なんかあいつの番号さえ、知らねぇのに。



「………くそ」


小さな苛立ちは利央たちに届かないまま空気に溶けた。