役柄上、朝浜光輝は馬鹿に触るのが多いから俺の眉間の皺は増える一方だった。
だけど平常心で川嶋を演じる。
………さすが俺。
馬鹿ひとりのシーンを端から眺めてると朝浜光輝が近づいてきた。
「光ちゃん、すげぇな」
「……はい」
視線を朝浜にやろうともせず、馬鹿へと注ぐ。
「俺、演技には自信あったんだけどな、光ちゃんに食われたわ」
苦笑いとも言えるような笑みを溢していた。
んなこと一目瞭然だろーが、ばーか。
「演技馬鹿なのかって思ったら、ちげぇし。可愛いし、面白いし」
「………」
「ああゆう子、なかなかいねぇよなー」
「……何が言いたいんですか」
初めて朝浜に視線を移す。
二歳しか変わらねぇくせに、俺よりどこか大人を感じさせる朝浜が嫌いだった。
嫌いというより。
「……さっきから何が言いたいんすか」
むかつくんだ。

