Drop Piece




キラキラしてる?

あの彼氏が?

この俺が隣に居るっつーのに?



まじ、ありえねぇ。この馬鹿。



「いいいいちる様、着いたのですが!!」

「あぁ?」

「運転手さん!お釣りいらないんで!それで!」



俺をタクシーの中から引きずりだし、外に出させた。

でも外に出た瞬間、うざったい感情が吹き飛んだ。



………は?


「お前、なに?」

「へ?えー…っと高崎光です」


いや、このマンション何?最上階、見えねぇよ!



「親、金持ちなのかよ」

「え、ただの親だよ」


……こいつと話してると埒があかねぇ。


さっさと帰って社長に聞くか。


「じゃーな」

「あ!」

「は?」


馬鹿が腕を伸ばし、俺の服を掴む


「…なに」

「あ、えと」

「部屋に上がってほしいとか?」

「ち、違うよ!」


でたよ、即否定。俺を、即否定。


「……っちゃうんだよね?」

「あ?」

「なんでもないっ!また明日、現場でねっ!」



なんとなくマンションに入っていく馬鹿の背中に違和感を感じた。