Drop Piece




「琉!?」

「……あ」

写真を見て琉が微笑む。


「……なんだよ」

「…壱流…、恋してるみた…」

「してねぇよ!」


恋してる?

誰が、誰に?

俺が…………馬鹿に?



「ありえねぇ!!」

「壱流、…耳…きーんってした」



たまたまこんな顔しただけだっつーの。

俺が、なんで馬鹿見てこんな顔しなきゃいけねぇんだよ!!


天と地が引っ繰り返ってもありえねぇ。



「しゃちょー…の言った通り…だね」

「は?」

「“男の表情”だよ、…みんな」


こくり、と息を呑む。


社長が言っていた“男の表情”。

それがどうゆう意味かなんて、わかってる。


馬鹿が言っていた男がする表情じゃなくて。


「みかんの前だと俺たち、男になるんだね」

「俺は別に」

「…写真の壱流が一番素直だよ」

俺があんな馬鹿、のこと、好きな筈がない。

俺から仕掛けたゲームに俺が負ける筈がない。


『落ちたら、負け』


唇を噛む。


『写真の壱流が一番素直だよ』



泣く馬鹿を抱き締められない。

そんなもどかしさに手を震わせ。

瞳を伏せ。

悔しそうに口をつぐんでる。



そんな情けない写真が俺の素直、だった。