Drop Piece




「しかも、あの壱流くんが…」

「無駄なこと話すなよ」

「あ、いちる」


撮影が一段落ついたのか、いちるが不機嫌な顔をして現われた。スタッフさんが舌をだして、そそくさと逃げていく。

その不機嫌さの矛先はあたしへ。


「お前もお前で変な話聞いてんじゃねぇよ、ばーか」

「き…聞かされてたの!」



あたしが聞いたわけじゃないもんねー。


「…何、聞いたんだよ」

「言わないーっ!」


いちるになんか、言わないもんねー。



ふん、と顔を背けるといらっとしたように顎を掴んできて無理矢理いちるの方に向かされる。



「言えよ、羊」

「ひつじ!?」


羊?ひつじ?ヒツジ?sheep?
あたしがなんで羊!?

あたし光!ひ、しか合ってないよ!!


「俺、狼。お前、羊」


ぴー、と思考停止の音がした。いちるの言ってることが全くわからない。


「…食物連鎖?」

「琉、なんか、そのコメントはおかしい」

「俺、食う人。お前、食われる人。って意味だよー」



あたしいちるに食べられんの!?