わらわらと増えていくロケ隊に患者さんやお見舞いの人たちもびっくりしてる。
「病院でやって大丈夫なの?」
「旧館の屋上だから、使われてねぇし。許可もちゃんと取ってっから」
へぇ、と感心してるといちるが、あたしを覗き込んできた。
「?」
「お前、…っ」
いちるの言葉は飛び込んできた利央によって遮られる。
「光っ!今日、どーしたのー?」
「えっと…」
「おい、利央。人の話邪魔すんじゃねぇよ」
真っ黒なオーラを漂わせたいちるが利央を思い切り睨む。
それに負けじと笑う利央に思わず拍手。
「ひ…光っ!」
「晴翔っ!昨日の電話ぶりー」
電話と言った瞬間、はっとした顔になる晴翔。
どうしたんだろ…?
「昨日さ…壱流と…」
「みかん」
晴翔の言葉もふわ、とした琉飛の声に遮られた。
「遊びにきてくれたの?」
「あ、うん!いちるに誘われたのっ!!」
がーん、という音が似合うような顔をしている晴翔を横目で気にしながら琉飛に笑顔で答えた。