止まりたくない。
ずっとずっと上を目指していきたい。
アイドルだけど“ただのアイドル”で、終わらせねぇ。
それは俺達の、心の一番奥にある誓いだった。
「昇り…てぇな」
ぽつりと呟く俺に利央は電話の向こう側で微笑んだ。
『だから、光のこと大切にしなきゃね』
「…なんで、ここで馬鹿がでてくんだよ?」
『……はぁ』
溜め息をつかれ、眉間に皺が追加された。
「…んだよ」
『なんでもー。じゃ、明日PV撮りだからねっ!ばいばーい』
「は?おい、ちょっ…」
虚しく電子音が響いてきた。
…利央、明日おぼえてろよ。
「白羽壱流?」
背後で聞こえる声に、何かが俺の中で溢れる。
「なんだよ」
「電話、もういいの?」
馬鹿に背中を向けたまま、話す。
「結構遅くなってきたし、そろそろ帰…」
「おい、馬鹿」
馬鹿の声を遮るように、呟く。
「あと一個、命令聞けよ」
「へ?」
ゆっくりと足を馬鹿に向け、向き合う形になった。
「な…」
こんなこと言うつもりなんか、なかったのに。
「なぁ、壱流って呼んでみろよ」

