それからは苦労の連続でしたよ・・・。

例えば女子を呼べば、



『おー、美倉ー、ちょっといいか?』



『何ですか。』



まず、?の無い疑問形を浴びせてくるし、



『これ、理科室に落ちてたんだが、他の生徒によると美倉のじゃないかって言うんだ。どうだ、心当たりあるか?』




そう言ってシャーペンを持って近付こうものならば、




『ああ、私のですね。ありがとうございます・・・チッ。』




あからさまに舌打ちが飛んでくるんですね。




『あ、そうだ。先生、これ誰が私のだって言ってたんです。』




『ん?んー・・・っと、確か竜司だった気がするなぁ。』




『竜司って男ですよね、それでD組ではないですね、D組の男子がわざわざそんなこと言いませんもんね。』




息継ぎの無い機械的な台詞に俺は・・・何かこう・・・

威圧感的なものを感じちゃいましたよ。




『それでは。・・・・次はなるべく女の先生に落し物とか忘れ物を届けさせて下さい。・・・・チッ』




こりゃ1年間大変だって感じた瞬間でした。





それから、後でこっそりと行われたやり取りも聞きました。





『とんだ変態野郎がいやがるな。』


『死ね。』





先行きがとっても不安になりました。