濃紺の硬いシートに深く腰を下ろし、同じ色のボストンバッグを右隣に置いた。

平日の各駅停車のせいか、車内には未だ誰もいない。

自由席なので、まさか他人が隣に座る事も無いだろう。

肘掛のボタンを押し、背もたれを倒す。

途端に突き刺すような太陽が視界に入り、あわててカーテンを閉めた。


春の陽気に満たされた車内で静かに目を閉じる。


こうしていると昨日までの喧騒がうそのように静かだ。


いや……結局他人事のようにとらえていたのかもしれない。

そうでもしないと心が折れそうで、耐えられなかった。