「多分あの塔だ」 今まで無言だった湊が突然口を開き 目の前の建物を指さす 「あそこに暗殺者が?」 そう口にした瞬間だった 風を切る音が聞こえる 咄嗟に湊が私の身体を押し アスファルトに自分の身体を叩きつけた 鈍い音と共に 周りにいた人々の叫び声が合わさる 銃声だった それも 明らかに私たちを狙った銃口 冷や汗が背中を伝う