二人を目の前にして 思ったことは一つ “何て哀れな人たちだろう” 普段はあんなに堂々と権力を振りまいて 民を人として扱いもしないのに 今はこんなにも必死に命乞いをしている たかだか私のような子供相手に 哀れでみっともない人間の最期だった ナイフが肉を裂き 骨をえぐった瞬間 相手の呼吸が止まるのを間近に感じた こんなにも人は簡単に死ぬのだと この時初めて 知ったんだ