彰人は再び椅子に座り直すと、 「ていうか、お前のとこも今日は忙しいんじゃないのか?」 と今度は極めて冷静に退却を促した。 すると 内藤は、 「おぉ、そうだった!!」 と言って、両手をポケットに入れたまま 少々大袈裟に体を仰け反らせた。 そして、 「悪い、じゃあ頼むな! このお礼は必ず!」 と言うと、今までのしつこさが何だったのかと云う程にあっさりとした調子で、軽く右手を上げ、足取りも軽やかに内藤は経理部を後にした。 .