「5時からだからもうちょっとで来るよ」


吉野家好き…じゃない。吉野康生がそう言った後、団体のギャルが入って来た。


「てか、今日チョー寒くない?」


「それチョーヤバくなぁい?」


……五年程前に絶滅したハズのヤマンバギャル。
最近また復活したのか……?


「おい、デブ!修司くんまだかよ!!」


ヤマンバの一人が吉野康生に聞いた。


「もうすぐ来るよ」


吉野康生は慣れた口調でヤマンバに接した。


「お前ら準備したか?」


ヤマンバは六人程いる。その六人全員が、団扇を取り出した。
そこには、『修司LOVE』と書かれていた。


「店長、今日もよろしくお願いします」


修司くんがやっと来た。


「キャアァ~!修司く~ん!!」


ギャル達は黄色い声を出して、団扇を振った。


私と由梨は様子を伺うため、本コーナーで立ち読みしているフリをした。
しばらくして、一人目のお客さんがやってきた。お客さんは、二十代前半の男性。


「520円になります」


……意外に普通じゃん…。
安心したその時、事件は起こった。


「あれ?おかしいな?」


男性は財布が見当たらないようで、体中のポケットを探し始めた。
ポケットから見えた黒い物体。修司くんはそれに反応した。


「コンビニ強盗か―――――!!!」


……えぇ――――――!!?