俺の名前は皆川 修司。高校三年生。


まわりの皆は俺の事を『変わり者』だと言うが、そんなことはない。ゴールデンウイークに真知子ちゃんにプロポーズして二ヶ月以上経った。


そろそろご両親に挨拶しないと…と、そんな事を考えながら、朝いつも乗る電車に乗っていた。するとおばあさんが立っていた事に気付いた。


「おばあちゃん、どうぞ座ってください。」


おばあさんは、『ポッ』っと顔を赤くした。


(熱でもあるのかな?)


「あんたイケメンじゃねえ。アメあげるよ。ほれほれ」


おばあさんは俺に大量のアメを渡した。
俺は大量のアメを持ちながら電車のつり革を持った。


次の駅で、人がたくさん乗ってきた。


(おばあさんを座らせて良かった。)


俺は大量のアメを鞄に入れた。
すると、お尻に違和感を感じた。


…誰かが俺のお尻を触っている。
触っているのは中年親父。


(財布が目当てか!!)


…でもここで大声を出すと、皆に迷惑がかかるので、俺は親父に小声で言った。


「財布はお尻のポケットにはありません。探しても無駄です」


そう言うと親父は去っていった。


だがまた、俺のお尻を触っている者がいた。今度は、女の人だった。
その女の人は、三十代後半くらいの、おばちゃんだった。


そういえば、昔からよくお尻やらなんやら触られることがよくあった。


今思えば皆、財布を狙っていたのか!!


「アンタ、何しとるんじゃ!!」


さっき席を譲ったおばあさんが大声で、俺のお尻を触っていたおばちゃんに怒った。