その後は、放課後まで、何も起こらずに時間は過ぎた。
「絢音、帰ろうぜ?」
蒼があたしの腕を掴んだ。
「…えっ?蒼…部活は?」
「何言ってんだよ?今日は休む」
「あたしのことは、ほっといて…」
あたしは、冷たい声で蒼の手を振り払った。
「…どうしたんだよ?絢音のこと、ほっとけるわけねぇだろ?」
「もう…ほっといて欲しいの」
「絢音…?」
「部活休んだりされたら、あたし迷惑。そこまで蒼にしてって頼んでないじゃん」
蒼の目を見ることは出来なかった。蒼の目を見たら、気持ちが揺らぎそうだったから。
「急にどうしたんだよ?」
「ひとりで帰るから」
これでいい…これでいいんだ。
あたしはひとり廊下を足早に歩いていく。
「絢音……!」
蒼が後ろから、あたしの腕を掴んだ。
「蒼といると、疲れる…っ!」
こんなこと、言いたくない。
あたしだって言いたくないよ。
小さい頃からずっと一緒にいたのに。
蒼はいつもあたしを助けてくれたのに。
蒼はいつもあたしには優しかったのに。
蒼といて嫌だと思ったことなんてないよ。
だけど、これで…いいんだよね。
蒼があたしの為に無理をするのは嫌だ。
あたしが傷つく度、蒼は大変な思いをする。
お互いの為にも…少し離れよう。
あたしはその場を走り去った。
「絢音、帰ろうぜ?」
蒼があたしの腕を掴んだ。
「…えっ?蒼…部活は?」
「何言ってんだよ?今日は休む」
「あたしのことは、ほっといて…」
あたしは、冷たい声で蒼の手を振り払った。
「…どうしたんだよ?絢音のこと、ほっとけるわけねぇだろ?」
「もう…ほっといて欲しいの」
「絢音…?」
「部活休んだりされたら、あたし迷惑。そこまで蒼にしてって頼んでないじゃん」
蒼の目を見ることは出来なかった。蒼の目を見たら、気持ちが揺らぎそうだったから。
「急にどうしたんだよ?」
「ひとりで帰るから」
これでいい…これでいいんだ。
あたしはひとり廊下を足早に歩いていく。
「絢音……!」
蒼が後ろから、あたしの腕を掴んだ。
「蒼といると、疲れる…っ!」
こんなこと、言いたくない。
あたしだって言いたくないよ。
小さい頃からずっと一緒にいたのに。
蒼はいつもあたしを助けてくれたのに。
蒼はいつもあたしには優しかったのに。
蒼といて嫌だと思ったことなんてないよ。
だけど、これで…いいんだよね。
蒼があたしの為に無理をするのは嫌だ。
あたしが傷つく度、蒼は大変な思いをする。
お互いの為にも…少し離れよう。
あたしはその場を走り去った。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)