緩やかな坂を上りきると、左側に公園があり、その真向かいには、二階建ての白いアパートがあった。
「…ここだぁ」
周りにあるアパートに比べて、綺麗なアパート…まだ新築なのかもしれない。
“203”
「2…03……あった……」
ドキンッ…ドキンッ……
急に心臓の音が、大きな音をたてる…
一度、深くゆっくり深呼吸をして早くなる呼吸を整えた。
かすかに震える手でインターホンを押してみる。
ピンポーン……―――
…………
何度かインターホンを押すが、反応はない。
「いない…かぁ……」
あたしは、蒼の部屋の前でうずくまり座った。
「蒼に電話したら…帰れって言われるのかな……」
携帯の画面を見つめながら、あたしはため息をつく。
「待とぉ……今日は…待つって決めたもん……」
……………
………………………
しばらく、その場に座っていると、音が聴こえてきた。
タンタンタン…―――
アパートの階段を足早に上がってくる誰かの足音が聴こえる。
………………
「……絢音…?」
この声……
あたしは、顔を上げた。
「…ここだぁ」
周りにあるアパートに比べて、綺麗なアパート…まだ新築なのかもしれない。
“203”
「2…03……あった……」
ドキンッ…ドキンッ……
急に心臓の音が、大きな音をたてる…
一度、深くゆっくり深呼吸をして早くなる呼吸を整えた。
かすかに震える手でインターホンを押してみる。
ピンポーン……―――
…………
何度かインターホンを押すが、反応はない。
「いない…かぁ……」
あたしは、蒼の部屋の前でうずくまり座った。
「蒼に電話したら…帰れって言われるのかな……」
携帯の画面を見つめながら、あたしはため息をつく。
「待とぉ……今日は…待つって決めたもん……」
……………
………………………
しばらく、その場に座っていると、音が聴こえてきた。
タンタンタン…―――
アパートの階段を足早に上がってくる誰かの足音が聴こえる。
………………
「……絢音…?」
この声……
あたしは、顔を上げた。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)