なんて子どもじみた独占欲なんだろう。
わざわざ人目を引くようにして。
自分の存在を誇示するように。


でも。

罪悪感を感じながらも、アタシはそれを、心地いいと感じてしまった。
満たされたような、幸せすら、も。


「オレんちで飲もっか」


去年の深緑色の浴衣を出す日はもう来ない、とうっすら思う。


心に素直な、ユウヤが、愛しい。


「ユウヤの、ものだよ」


まわされた腕を優しく抱きしめ、頭の中を空にすると、アタシは小さく呟いた。



彼といる日はもう、こない……。