「しょうがないなぁ」


ドキリと胸が強く脈打つ。


気づかれた……?


アタシの態度か、はやし立てる酔っ払いにか。
感じるところがあったらしい。

ユウヤは面倒くさそうに言うと、突然、


「じゃあ特別、他の店にしてあげるよ」


これ見よがしに腕を広げ、アタシの肩を引き寄せた。


「ちょっ」


驚き戸惑うアタシを尻目に、ユウヤは肩を抱いて歩き出す。
不要に密着した距離のままで。


「ユウヤっ!?」