白い天井~恋愛依存症候群~

人でごったがえした、狭い店の中。
考えることはみんな同じなのだろう。人いきれで、窓が曇りそうだ。


「あっ……」


思わず小さく声が漏れた。

ずらっと並んだ、その、レジの、前。



目が……、合った。



「……やっぱ、イイ。帰ろっ」


動揺には気づかれたくない。
なのに、声が微妙にうわずる。


「なんでー?」


アタシは、入ろうとするユウヤの背中に隠れるようにして、その袖を引っ張った。

理由なんて、言える訳、ない。


「あーあれチサちゃんじゃないのー?」