…………え?


何?


「楽しかったよ。思い出をありがとう」


かかってきた時と同じぐらい唐突に、プッ、と鳴って電話が切れた。

ツーツー

機械音がこだまする。



ユウヤが、死ぬ?

なんで?


開いたままの携帯を握りしめ、アタシは呆然と立ち尽くした。


……これは、何か悪い夢?
何…………?


滲んだ夜のどこか、救急車のサイレントが遠く響いた。