ユウヤはちょっとずつ、微笑み、明るくなった。

電話してきた時みたいな、テンションじゃない。落ち着いた、普通の男の子。


あれが、変だったんだ。浮かされたような……。
きっと、これが本当のユウヤ。


そんな気が、する。

時計の針は深夜をまわり、もはや、早朝と呼べる時間だった。

つないだ手から伝わる温もりが、緊張続きだったアタシに柔らかい眠気をもたらす。
ユウヤも、同じなのだろう。その口から、小さなあくびがもれた。