白い天井~恋愛依存症候群~

言いたくて言った言葉じゃない。

アタシにとって、闇の深さをもつ、言葉。


でも、効果はてきめんだった。

ユウヤににじりよっていたハルコが、ピタリと、止まる。


「そ……そ、だよ……産むんだっ、て…………」


勢いこんだユウヤが、ここぞとばかりにたたみかけた。


「一緒に親に会うんだろ!?」


…………親、に?


それって……。


切羽詰まったユウヤは、もはや、アタシがいることを忘れていたのかもしれない。
それとも、必死のあまりに我を忘れているのか……。


「結婚、しよう。だから……」


アタシは、ただただ、茫然とその声を聞いていた。

あまりの驚きとショックに、涙も出ない。
まばたきすら、凍ってしまった。