「チサ、かわいいよ」


携帯の中のユウヤが、のぼり詰めるアタシに囁いた。
真似するように、現実のユウヤも、ニタリと、そう言う。


「……はいはい」


どうせなら……。


どうせなら、あのまま死んでしまいたかった。

一つになったまま、で。


「チサってば激しいんだもん」


おどけたような、明るい表情。

数時間前とはうって変わって、ユウヤは機嫌良く話しをしている。


……あれ、嘘だったのかな。


そんな気すら、した。


「いつからそんなにエロくなったの?」


ふざけた物言いも、元気を取り戻した証拠、と諦める。


「……アタシ、そのまま殺してもらうつもりだったんだけど」