白い天井~恋愛依存症候群~

「チサはオレのだ。……渡さない」


ねっとりとした響きに、突然、猛烈な怒りが湧いた。


「……い……せに」

「あ?」


アタシは、一体、ユウヤの何なの?


「ハルコと別れてないくせにアタシに触んないでよ!」


渾身の力を込めて、重たいユウヤをはねのける。

油断していたのか、体をひねると、意外と簡単に抜け出せた。


ドッ……ダダッ


ベッドを転がるように降り、落ちていたユウヤの服を自分の体に巻きつけた。
アタシの服は、反対側にあるのだろうか。


とにかく、まず、手の届かないところに逃れなくては。


「……オレだって別れたいよ!」


あ然としていたユウヤが半身を起こし、怒鳴り返した。

なんでアタシが怒鳴られなくちゃならないのだろう。