「アタシ、が、かけ、る」


少し息の落ち着いたハルコが、アタシの様子に気づき、探し当てた携帯を耳にあてた。


1、2……5


頭の中が無意識に秒数を数える。


ハルコからの電話なんかにユウヤが出るもんか。

図々しい。


なかなかつながらないらしいハルコの沈んだ顔に、アタシは内心ほくそ笑んだ。


アタシの今までの苦労を、そう簡単に横取りされるなんて、許せない。


「あっ。もしもし?」


……唖然とした。


「ユウヤ?……うん……そう……うん」


嘘、でしょ……?


アタシの電話は切られてしまった。
なのに。


ハルコは、イイ、の?