君を守りたい


そんな中、慈朗はゆっくりと言葉を紡いだ。


「ホントは、結構傷ついてるでしょ?さっきの先輩たちの言葉。」

「そんなことない。」


あたし自身よくわかっていない心の中に、慈朗の言葉はまるで、溶け込むように浸透していく。

でもあたし、傷ついてなんかいない、本当に。
だって別に、傷つくようなことはなかった…はずでしょ。

動揺しているのは明らかなのに、未だ強がるあたし。そんなあたしを見兼ねたのか、慈朗は再び口を開く。


「嘘だ。だって陽路ちゃん、スゴく悲しい顔してる。」


そして紡がれた言葉に、あたしは慈朗にはかなわない。そう思った刹那。些細な変化に気がつくほどに、あたしのことをよく見ててくれた慈朗が、ただ純粋に愛しいと思った。

だからあたしは、左肩に乗せられた慈朗の頭に右手を伸ばし、軽く彼の柔らかい髪の毛に触れた。