君を守りたい


だいぶ薄暗くなった帰り道も分岐点にさしかかり、緒太と学は「さようなら。」と言ってあたしと慈朗と別れて帰って行く。
その後ろ姿を眺めていると、不意に後ろから慈朗に抱きしめられて。
心なしかいつもと違う感じに、ちょっとだけ感じた違和感…。


「……慈朗、どうかした?」


だから、あたしより少しだけ大きい慈朗にそっと問いかけてみれば。


「…無理して、笑わないで。」

「え?」


返ってきたのは、慈朗からの思いがけない言葉。そして刹那、強まる抱きしめる力…。
その予想外な状況に、問い掛けに、あたしは戸惑いを隠せなかった。

だって、そうでしょ?
無理してって何?どういうこと?
あたしはいたって普通で、無理なんかしていない。

いつもより冷たい風が、あたしたちの横を通り抜けた。