君を守りたい


「れーじ先輩、それは誤解だよ〜。陽路ちゃんが仕事サボるなんてあり得ない。」


まるで許さないとでも言うように、あたしを睨み続ける礼二に、慈朗はいつもと同じ様子で反論する。一体何を見ていたのか、そうでも言うような慈朗の声色に、紀彦があたしを掴む手に一層力が込められた。


「つーか痛い。離して。」

「…大崎、なんか見損なったんだけど。」


いすに座った状態で、あたしを見上げながら紀彦はそう言い放つ。
だけど、“見損なったんだけど”だなんて、あたしがアンタらに言いたいくらいだよ。今まで同じ部活で過ごしてきたあたしよりも、目の前で泣いた美香のことを信じるんだね。


「…もう、陽路を責めないであげて?美香は大丈夫だから。」


そして、不意に響いた美香の弱々しい声。
それにより、必然的に美香へと集まるあたし達の視線…。俯いていた顔を上げた美香の顔には、切なげなほほえみが貼り付けられていた。