まるであたしの押し殺したはずの想いが、今のあたしに忘れることを許さないかのように。
毎夜毎夜、過去の記憶が悪夢としてよみがえる。
せっかく癒えてきたように思えていた心に、また新たな亀裂が入って。
少しでも踏み込めば、前以上にも脆く、あっという間に砕けて消えてしまうようにも感じる。
今更あがいたってしょうがないし、あのときはあのときで、あたしのできる限りのことをしたはず。
それでも、あたしだけならともかく、あたしに関わった人たちまで傷つけてしまったことが、やっぱり許せない。
もう、誰も巻き込みたくない。
再びあのことには、関わらないのが一番なんだ。
あたしの古傷に、不吉な予感だけがじんじんと響いた。