できあがったドリンクを持って外に出ようとすると、タイミング良くこちらに走ってきた美香。


「美香が持ってくよぉ。」

「……あぁ、うん。よろしく。」


まだ仕事は他にもあるし、コレは美香に任せてあたしはコートに向かう美香の背中を見送る。溜まっていた洗濯物に手をつけていると、美香の高めの声が耳に届いてきた。


「今日はねぇ、美香がみんなのためにドリンク作ったんだぁ♪」


…………………は?

あの子は一体、何を言っちゃってるわけ?
自分は今、散々コートのところで騒いでいただけのクセに。

その後に続く、「うめぇ!」とか「美香ちゃん大崎よりもマネ向いてんじゃね?」とか言う声…。味はいつもと同じなんだけど、それを持ってきてくれた人で味は変わるんだね。ってか、何回あたしのドリンク飲んだの?って感じなんだけど。

美香の言動や彼らの言葉には、怒るっていうより呆れてしまった。