《美香は一番》

昔からそう言われ続けて育ったあたし。だから自分でも、絶対一番じゃないとイヤだった。まぁ、勉強は別にしてだけど。

性格がねじ曲がってるのも自覚してる。でも、コレがあたしなんだよ。
可愛いねって言われ、愛想を振りまいておけば絶対嫌われないし、誰よりも好かれる自信がある。

陽路へのどんな大きな信頼だって、あたしが崩してあげる。あたしが中心になってあげる。


「お待たせ。早く行こー!!」


校門で話している彼女の後ろ姿を見ながら、あたしはふっと笑みをこぼした。


「あなたから、すべて奪ってあげる。」


そう、つぶやきながらー…